10-イーマーンの基幹
● イーマーンの基幹は6つあります。それについては、大天使ジブリール(ガブリエル:彼に祝福と平安あれ)が預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)に、イーマーンについて訊ねたことに関する伝承の中で言及されています。彼はその問いにこう答えました:「(イーマーンとは)アッラーとその諸天使、そしてその諸啓典と諸使徒、そして来世と、それが良いことであれ悪いことであれ運命を信じることである。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[1])
①アッラーへの信仰
● アッラーへの信仰は次の4つの事を内包しています:
1、至高のアッラーの存在:
● アッラーは全ての被造物を、その創造主への信仰の元に創造されました。
崇高かつ至高なるアッラーは仰られています:-ゆえにあなたの顔を純正な宗教へと向けるのだ。(それは)人々がそれを元に創造されたところのアッラーの天性。アッラーの創造に改変はない。,(クルアーン30:30)
● そしてこの宇宙に創造主が存在することは、理性によっても証明できます。
というのも過去のものであれ、未来のものであれ、被造物はそれを存在せしめた創造主無しにはありえないからです。そして被造物は自らの力でもって自らを存在させることは出来ませんし、また突如原因もなく生じることもありません。ゆえに被造物には、それらを生じせしめた存在があるのです。そしてそれこそは万有の主アッラーなのです。崇高かつ至高なるアッラーは仰られました:-無から生じたのか。あるいは彼ら(シルクの徒[2])自身が創造者だというのか?それとも(彼らが)天地を創ったとでもいうのか?いや、彼らの信仰は曖昧なのである。,(クルアーン52:35-36)
● また崇高なるアッラーの存在は感覚によっても証明できます。
私たちは昼夜の変転や人間と動物の生命の糧、被造物を取り巻く諸事が全て首尾よく運営されていることなど、至高なるかれの存在を明確に示している証拠を目にします。アッラーは仰られています:-アッラーは昼夜を変転させる。実にそこには眼識ある者たちへの教訓があるのだ。,(クルアーン24:44)
● アッラーがその諸使徒と諸預言者を援護した数々のみしるしと奇跡は、人々によって目撃されたり耳にされたりしています。
それらはアッラーがそれでもってかれの諸使徒を助け援護したところの、人的能力を超越した事象なのです。そしてこの事は彼らを遣わした存在、つまり偉大かつ荘厳なるアッラーの存在の1つの確証でもあります。アッラーはイブラーヒーム(アブラハム。彼に平安あれ)がその民から迫害を受けて火にかけられた時、彼のために火を冷たく無害なものに変えられ、ムーサー(モーゼ。彼に平安あれ)には海を真っ二つに割らせました。またイーサー(イエス。彼に平安あれ)には死人を蘇生させ、そしてムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)には月を割らせました。
● アッラーはかれに祈願する者の願い事を叶え、何か必要なものを求める者には与え、また苦難にある者には慰安を授けて下さいます。
この事は疑念の余地なく、崇高なるかれの存在と知識、そして威力を示しているのです。
1-至高のアッラーは仰られました:-あなた方が、あなた方の主のご援助を請うた時(のことを思い出すのだ)。かれ(アッラーのこと)はあなた方に応じてこう仰られた:“われ(アッラーのこと)はあなた方に、隊列を組んでやって来る1000の天使を(援助として)遣わそう。” ,(クルアーン8:9)
2-至高のアッラーは仰られました:-またアイユーブ(ヨブ)がその主をこう呼んだ時(のことを思い出すのだ):「私は害悪に苦しんでいます。そしてあなたこそは慈悲深い者全ての中でも、最も慈悲深いお方であられます。」そしてわれら(アッラーのこと)は彼に応え、彼から害悪を取り除いてやった。それからわれらは(来世において)彼に彼の家族を与え、そしてそれと似たような者たちを(現世においても)授けてやったのだ。これらはわれらの慈悲の賜物であり、イバーダ(崇拝行為)に努める者たちに対しての教訓なのだ。,(クルアーン21:83-84)
● またイスラーム法自体も、崇高かつ偉大なるアッラーの存在を証明しています。
イスラーム法に内包された諸規定は、被造物の福利のためのものです。そして偉大かつ荘厳なるアッラーが諸啓典として各々の使徒と預言者に下されたそれらの天啓法は、それらがしもべの福利を完知された公正で万能の主からのものであることを示しています。
2、アッラーが唯一の主であり、何ものもかれに共同・参与しないということへの信仰:
真の主とは全ての創造と所有と権限を有されるものであるゆえ、アッラー以外には創造主も真の所有者もなく、全ての権限はアッラーにこそあります。つまり全ての創造物はかれのものであり、全ての所有権はかれのものであり、全ての権限はかれに属するのです。かれこそは強大かつ慈悲深いお方であり、何ものも必要とされず真に讃美されるべきお方です。かれは慈悲を請われれば慈しみを授けられ、罪の赦しを請われれば、お赦しになられます。また求められればお与えになり、呼ばれればお応えになられます。かれは永生され自存されるお方であり、まどろみも睡眠も覚えられません。
1、 至高のアッラーは仰られました:-かれにこそ創造と全ての権限は属する。万象の主アッラーの崇高さよ。,(クルアーン7:54)
2、至高のアッラーは仰られました:-アッラーにこそ諸天地と、そこにある全てのものは属する。そしてかれには全ての物事が可能なのである。,(クルアーン5:120)
● 私たちは以下のことを知り、確信しています:偉大かつ荘厳なるアッラーが、全ての創造物を創造され、全ての存在を存在せしめ、それらを形造られたこと。そして諸天地を創られたこと。太陽と月、昼と夜を創られたこと。水と植物、人間と動物、山々と海々を創られたこと。-そして(アッラーは)全てを創造され、それらを緻密に定められた。,(クルアーン25:2)
● アッラーは全てのものをそのお力でもって創られました。崇高なるアッラーには代理人も顧問も補佐もなく、かれこそは唯一で全てを支配されるお方なのです。かれはそのお力をもってその玉座におかけになられ、大地を広げられました。そしてそのご意志をもって全ての被造物を創造され、そのお力をもってそのしもべたちを支配されました。かれは東西にある全てのものの主であり、かれ以外に崇拝されるべきものの存在しないお方、永生し自存されるお方なのです。
● また私たちは以下のことを知り、確信しています:崇高なるアッラーが全能であり、全てを包囲なされていること。かれが全ての王であり、全てをご存知であり、全てのものを支配されていること。また全ての被造物はその強大さに服従し、その威厳に対して声をひそめ、そのお力の前では彼らの内のいかなる強者も卑小な存在であること。またかれを(現世において)視覚で捉える事は出来ませんが、かれこそが全ての視覚を捉えられているのであり、霊妙かつ全てに通暁されたお方であること。そしてかれはお望みになられることをなされ、ご決定されます。-かれ(アッラー)のご決定というものは、それをお望みになられた時に“(このように)あれ。”と仰られただけで、実にそのようにあるのである。,(クルアーン36:82)
● 至高なるアッラーは天地にあるもの全てを熟知され、不可視界の事象も可視界の事象もご存知の至高至大のお方です。かれは山々の重さも海々の広さも、雨のしずくの一滴一滴の数も、全ての木々の葉の数も砂丘の砂粒の数もご存知なのです。かれは夜が覆い隠すものも昼が照らし出すものも熟知されています。-そしてかれはかれのみぞ知る不可視界の鍵を有される。かれは陸にあるものも海にあるものもご存知であり、1枚の葉でさえかれの知をよそに落ちることはない。また地中の暗闇に潜む1粒の種子も、湿っているものも乾いているものも、全て明白な書の中に記録されているのである。,(クルアーン6:59)
● また私たちは以下のことを知り、確信しています:荘厳なるアッラーが日々諸事を司られ、天地のいかなる事も熟知されていること。かれが全てを管理され、風を送られ、慈雨をお恵みになること。またかれが一度不毛となった台地を蘇えらせ、お望みになる者を強大に、あるいは卑小にされること。そして彼こそが、生と死、供給と禁止、零落と興隆を司られるお方であること。-かれこそはそれ以前にも、それ以後にも何ものも存在しないお方であり、最も高くかつ最も近いお方である。そしてかれは全てをご存知なのだ。,(クルアーン57:3)
● また私たちは以下のことを知り、確信しています:天地の宝庫は全てアッラーのものであること。そして全ての存在には貯蔵庫があり、それが水であれ、植物であれ、空気であれ、鉱物資源であれ、健康であれ、平和であれ、享楽であれ、懲罰であれ、慈悲であれ、お導きであれ、力であれ、強大さであれ、それらは全てアッラーの御下にあること。-そして全てのものには、われら(アッラーのこと)の下にその貯蔵庫がある。そしてわれらはそれらを、適当な量だけ供給するのだ。,(クルアーン15:21)
● 以上のことを知り、またアッラーの全能性、偉大さ、お力、威厳、知識、宝庫、ご慈悲、そして唯一性といったものを確信すれば、心はかれへと向かい、胸はかれへのイバーダ(崇拝行為)ゆえに喜びに満たされるでしょう。また体の全部位はかれに服従し、舌はかれの比類のなさと至大さ、崇高さと誉れ高さを讃美してやまないことでしょう。そしてあなたはもうかれ以外のものに何かを求めたりせず、かれのみがその権能を専有される事柄において、かれ以外の何ものにも援助を請願したりはしないでしょう。またあなたはもはやかれ以外にはタワックル(自らの身を完全に委ねること)したりせず、かれ以外を恐れることもなければ、かれ以外のなにものかをイバーダ(崇拝行為)の対象とすることもないでしょう。-かれこそがアッラー、あなた方の主である。かれ以外に崇拝すべきものはない。かれは全ての創造主であるのだ。ゆえにかれを崇拝せよ。かれは全てにおいて(そのしもべから)委任されるべきお方なのである。,(クルアーン6:102)
3、崇高なるアッラーのウルーヒーヤ[3]への信仰:
● 私たちは以下のことを知り、確信しています:アッラーのみが真に崇拝されるべき存在であり、何ものもそこに参与することはないこと。かれのみがイバーダ(崇拝行為)を捧げるに相応しいお方であること。彼が万有の主であり、万有の崇拝する存在であること。また私たちがかれに対する完全な服従と愛と、その比類なさに対する讃美をもって、かれ自身が定められた方法に則ってかれにイバーダ(崇拝行為)を捧げるべきこと。
● また私たちは以下のことも知り、確信しています。アッラーはそのルブービーヤ[4]においていかなる参与者も存在しない唯一のお方であると同様に、そのウルーヒーヤにおいてもいかなる参与者も存在しない唯一のお方であること。そしてそれゆえに、私たちがかれに何ものをも並べることなくかれを崇拝し、かれ以外のいかなるものに対するイバーダ(崇拝行為)も回避すべきこと。
至高なるアッラーは仰られました:-そしてあなた方が崇拝すべきものは、ただ1つ。かれ以外には崇拝するべきものの存在しない、慈悲あまねく慈悲深いそのお方なのである。,(クルアーン2:163)
● アッラーを差し置いて崇拝されている全てのもののウルーヒーヤは空虚であり、それらに向けられているイバーダ(崇拝行為)もまた空虚です。-それというのもアッラーこそが真実であり、かれをさしおいて彼ら(シルクの徒)が崇めているものが空虚だからである。そしてアッラーは、至高至大のお方なのだ。,(クルアーン22:62)
4、アッラーの美名と属性への信仰:
その意味するところは:その理解と暗記、その認識、それをもってアッラーを崇拝すること、そしてそれが義務付けるところのものを実行することです。アッラーの比類なき偉大さや威厳、栄光、荘厳さといった性質を知ることによって、しもべの心はアッラーに対する畏敬と賞讃の念に満たされるでしょう。
またアッラーの強大さや威力、全てを支配するお力といった性質を知ることで、しもべの心には主に対する慎み深さや謙虚さ、服従の念といったものが充溢することでしょう。
またアッラーのご慈悲やお優しさ、寛大さといった性質を知れば、しもべの心はアッラーの恩恵や慈善、寛容さなどを希求し切望する気持ちであふれるでしょう。
加えてアッラーの知識や、全てを包囲され何事にも通暁されているという性質を知ることは、しもべの心に「いかなる行動も見透かされているのだ」という意識を芽生えさせてくれます。
そしてこれら全ての属性は、しもべにアッラーへの愛と思慕の念、親しみの念などを抱かせるだけでなく、かれのみにタワックル(自らの身を完全に委ねること)させることや、かれのみにイバーダ(崇拝行為)を捧げ邁進させることにも大きく供与するのです。
● 私たちは崇高なるアッラーがご自身に対して認められた美名と属性、あるいはその預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)がアッラーに対して肯定した美名と属性の全てを認めます。そしてそれらとそれらが示す意味や作用を信じます。つまりアッラーが“最も慈悲深い御方”であることと、かれが慈悲を備えられているお方であるというその意味を信じます。そしてこの美名の及ぼす諸作用の1つには、アッラーがお望みになるものにご慈悲をかけられるということがあります。このように、他の全ての美名においても同様の捉え方をしなければなりません。
また私たちはアッラーの美名と属性を意味のすり替えや完全否定、具体的説明の努力や擬人化などの手法に依拠することなく、崇高なかれの荘厳さにふさわしい形において認めるのです。-かれ(アッラー)に似たものは何1つない。にも関わらず、彼は全てを聞き、ご覧になられるお方なのである。,(クルアーン42:11)
● 私たちはアッラーのみにその美名と崇高な属性が帰せられるということ、そしてそれをもってかれに祈願するということを知り、確信しています:
1-至高のアッラーは仰られました:-そしてアッラーにこそ美名が属するのであるから、それをもってかれに祈願するのだ。かれの美名をないがしろにするような輩は放っておくがいい。いずれ彼らは自分たちが行っていたところのもので報いを受けるだろうから。,(クルアーン7:180)
2-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)はこう言いました:「実にアッラーには99の、‐つまり100に1つ足りない数の御名がある。それを数え上げた者は天国に入るだろう。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承[5])
● アッラーの美名:
偉大かつ荘厳なるアッラーの美名は、かれの完全な性質を示しています。それらは属性から派生したもので、それゆえ名称と同時に性質をも表しています。これが“美名”と呼称されるゆえんなのです。またアッラーとその美名及び属性に関する研究は、数ある学問の内でも最も高貴で偉大なものであり、かつ人々が早急に知る必要に迫られているものです。以下、偉大かつ荘厳なるアッラーの美名を挙げていきましょう:
・「الله(アッラー)」:全ての創造物が崇拝し、愛し、その比類のない偉大さを讃え、服従し、全ての必要をかれに依存しているところの、真に崇拝すべき存在。
・「الرحمن الرحيم(アッ=ラフマーン、アッ=ラヒーム)」“最も慈悲あまねく慈悲深い御方”:そのご慈悲は、全ての存在にあまねく行き渡っています[6]。
・「الملك(アル=マリク)」“真の王”:全ての被造物を所有される御方。「المالك(アル=マーリク)」“全ての所有者”:全ての王国と王としもべを所有される御方。「المليك(アル=マリーク)」“王権の支配者”:その王国において全ての命令を執行される御方。その御手にこそ王権があり、お望みの者に王権を授け、お望みの者からそれを剥奪される御方。
・「القدوس(アル=クッドゥース)」“最も神聖なる御方”:あらゆる欠如や欠陥などから無縁であり、完全な属性でもって表される御方。
・「السلام(アッ=サラーム)」“最も平安なる御方”:全ての欠陥や損害、欠如などを被ることから安全であられる御方。
・「المؤمن(アル=ムウミン)」“最も平安を与えられる御方”:その被造物に不正を施されることがなく、平安を作られる御方。またしもべの内、お望みの者に平安を与えられる御方。
・「المهيمن(アル=ムハイミン)」“最もよく監視される御方”:被造物の一挙一動をご覧になられ、いかなるものもかれから身を隠すことの出来ない御方。
・「العزيز(アル=アズィーズ)」“最も偉大なる御方”:全ての強大さを備えられた御方。かれはいかなる者の援護も要されることのない偉大な御方、決して敗北されることのない強大な御方であり、そして全ての被造物が服従するところの威力この上ない御方なのです。
・「الجبار(アル=ジャッバール)」“全てを従えられる御方”:全ての被造物の高きにあり、お望みになることにおいてそのしもべたちを従えられる御方。またしもべたちとその状況を改善し発展される、強力な力と比類ない偉大さを備えられた御方。
・「المتكبر(アル=ムタカッビル)」“最も高遠なる御方”:被造物の不完全な性質からは無縁であり、ゆえに何ものにも相似されない御方。またいかなる悪や不正からも遠く離れた高遠なところにあられる御方。
・「الكبير(アル=カビール)」“至大なる御方”:かれ以外の存在は全て瑣末で卑小である御方。またかれにこそ天地における威光は属しています。
・「الخالق(アル=ハーリク)」“創始者”:全ての被造物を無から創造された御方。「الخلاق(アル=ハッラーク)」“創造主”:創造を行われ、かつそのお力でもって全てのものを創られる御方。
・「البارئ(アル=バーリゥ)」“造物主”:被造物を創造され、そのお力でもってそれらを存在せしめられた御方。そしてそれらを互いに異なったものとされ、先天的に清純で無垢なものとされた御方。
・「المصور(アル=ムサッウィル)」“造形主”:被造物を長短や大小などにおいて、様々に異なる形に造形された御方。
・「الوهاب(アル=ワッハーブ)」“最もよく与えられる御方”:絶えることなく施され、恩恵を垂れ続けられる寛大な御方。
・「الرزاق(アッ=ラッザーク)」“全ての糧を所有される御方”:全ての被造物の糧がその御許にある御方。「الرازق(アッ=ラーズィク)」“糧を与えられる唯一の御方”:糧を作られ、それを被造物に届けられる御方。
・「الغفور الغفار(アル=ガフール、アル=ガッファール)」“最も赦し深い御方”:そのお赦し深さと寛容さで知られる御方。「الغافر(アル=ガーフィル)」“よく罪を覆われる御方”:しもべの罪を覆って下さる御方。
・「القاهر(アル=カーヒル)」“最もよく制される御方”:しもべの遥か上方から、彼らを制される御方。彼らは全身全霊をもってかれにひたすら服従します。
・「القهار(アル=カッハール)」“真の支配者”:全ての被造物をお望みのままに服従させられる御方。かれのみが唯一の支配者であり、他の全ての存在はかれに従属しています。
・「الفتاح(アル=ファッターフ)」“最もよく開かれる御方”:しもべの間を真理と正義でもって裁かれ、慈悲と恵みの扉を開かれる御方。また信仰者たちを援助し、不可視界の鍵に関する知を専有されている御方。
・「العليم(アル=アリーム)」“全知者”:何ものの彼の知から免れることの出来ないような存在。「العالم(アル=アーリム)」“完知者”:秘められたこともごく些細なことも、表面的なことも内面的なこともご存知の御方。また語られ行われることの全て、及び不可視の領域と可視の領域の知識を備えられている御方。
・「المجيد(アル=マジード)」“最も栄誉高い御方”:その御業において栄誉高い存在。またその比類ない偉大さゆえに、全ての被造物がその栄光を讃える御方。かれはその栄誉高さと比類のない偉大さと慈善により、讃美されるべきお方です。
・「الرب(アッ=ラッブ)」“真の主”:唯一の所有者、かつ運営者。主の中の主で、被造物を養育される全創造の所有者。被造物の現世と来世における諸事を営まれる、唯一の崇拝すべき存在。
・「العظيم(アル=アズィーム)」“比類なく偉大な御方”:その王国と権威において、比類のない偉大さと荘厳さを備えられた御方。
・「الواسع(アル=ワースィゥ)」“最も広く行き渡らせる御方”:そのご慈悲があまねく全てに及び、全ての被造物にそのお恵みを広く行き渡らせる御方。またこの上なく広大な偉大さと王国と権威を有され、恩恵と慈善をあまねく行き渡らせる御方。
・「الكريم(アル=カリーム)」“最も高貴なるお方”:この上なく高い位階におられ、その善が測り知れず途絶えることもない御方。またいかなる欠陥や疾患からも無縁である御方。「الأكرم(アル=アクラム)」“最も寛大な御方”:全てのものに余すことのない施しと恩恵を与えられる御方。
・「الودود(アル=ワドゥードゥ)」“最もよく愛される御方”:かれに服従する者や、悔悟してかれに立ち返る者を愛され、褒め称えられるお方。また全てのものに慈善を差し伸べられる御方。
・「المقيت(アル=ムキートゥ)」“真の滋養者”:全てのものの守護者。全ての物事を執り行われる御方。被造物に種々の滋養を与えて下さる御方。
・「الشكور(アッ=シャクール)」“最もよく報われる御方”:善行の報奨を倍増させ、悪行の報いを帳消しにされる権威を有される御方。「الشاكر(アッ=シャーキル)」“最も感謝深い御方”:わずかな服従行為にでもお報いになられ、それに対して多大な報奨と恩恵をお与えになる御方。またほんの少しでも感謝されれば、それをお悦びになる御方。
・「اللطيف(アッ=ラティーフ)」“最も神妙なる御方”:いかに些細な物事もご存知の御方。そのしもべに対し、彼らが思いもしないような方法でもって哀れみをかけて下さる、お優しい御方。視力では捉えることの出来ない神妙な御方。
・「الحليم(アル=ハリーム)」“最も寛恕深い御方”:しもべが罪を犯してもその懲罰に急ぐことなく、それどころか彼らが悔悟するまで猶予を与えて下さる御方。
・「الخبير(アル=ハビール)」“最もよく通暁される御方”:動いているものであれ静止しているものであれ、音を立てるものであれ沈黙するものであれ、その大小を問わず被造物を取り巻く全ての事象に通暁されている御方。
・「الحفيظ(アル=ハフィーズ)」“あまねき守護者”:被造物を守護され、その知識が全てに及んでいる御方。「الحافظ(アル=ハーフィズ)」“最もよく守られる御方”:しもべの行いを守られ、またかれが愛される者たちが罪を犯すことから守護される御方。
・「الرقيب(アッ=ラキーブ)」“最もよく見守られる御方”:あらゆる状況において被造物を監視され、またかれが守護されるものを常に見守っていられる御方。
・「السميع(アッ=サミーゥ)」“全聴者”:全ての声を聞かれ、いかなる音も聞きそびれることのない御方。かれは被造物が各々の言葉と言語を有し、また各々異なった要求を訴えるにも関わらず、その全ての声を聞き届けられます。かれにとっては密かなものの露わなものも、近いものも遠いものも相違ないのです。
・「البصير(アル=バスィール)」“全視者”:全てをお見通しになり、しもべの必要としているものや彼らの行いを熟知しておられる御方。かれは誰が導かれるにふさわしく、また誰がそうでないのかもご存知です。かれから逃れたり、隠れたり出来るものはありません。
・「العلي الأعلى المتعالي(アル=アリー、アル=アァラー、アル=ムタアーリー)」“最も高きにある御方、至高者、最も高尚なる御方”:全てのものがその支配と統治下にある、天上高きにおられる御方。かれは何ものも比肩することのない偉大さを備えられ、何ものもその上に存在しない至高の御方であり、かれにとっては全てのものが取るに足らないものである至大の御方なのです。
・「الحكيم(アル=ハキーム)」“最も英知あふれた御方”:その英知と正義をもって、全ての物事をそのふさわしい場所に置かれる御方。またその御言葉と御業において英知ある御方。「الحكم الحاكم(アル=ハカム、アル=ハーキム)」“真の審判者、真の裁定者”:その裁定に微塵も欠点のない御方。かれはいかなるものにも不正を施されることがありません。
・「القيوم(アル=カイユーム)」“唯一自存される御方”:自存し、他のいかなるものにも依拠されることがない一方、他の全ての存在はかれに依拠せざるにはいられない御方。被造物を運営され、まどろみにも睡眠にも襲われることのない御方。
・「الواحد الأحد(アル=ワーヒドゥ、アル=アハド)」“唯一者、何ものにも似つかない御方”:完璧さを一身に結集された唯一の存在。他の何ものもそこに参与する余地はありません。
・「الحي(アル=ハイ)」“永生される御方”:死も消滅もなく、永続される存在。
・「الحاسب الحسيب(アル=ハースィブ、アル=ハスィーブ)」“最も計算高い御方、全てを満たされる御方”:しもべがかれなしには存在し得ないところの、全てを満たしてくれる存在。またしもべの行いや、それに対する報いの全てを正確に計算されるお方。
・「الشهيد(アッ=シャヒードゥ)」“真の証言者”:全ての物事をご覧になり、ご存知になる存在。かれは審判の日、しもべが現世で行ったことに関し彼を弁護するべく証人になられたり、あるいは逆に反証をされたりします。
・「القوي المتين(アル=カウィ、アル=マティーン)」“最も力強い御方、無尽の力を備えられた御方”:十全なるお力を備えられ、いかなるものもかれを上回ることはなく、いかなるものもかれから逃れることの出来ない御方。またかれの強烈な力強さは、決して衰えたりすることがありません。
・「الولي(アル=ワリー)」“全てを引き受けられる御方”:全ての物事を企画され、対処される御方。「المولى(アル=マウラー)」“信仰者の庇護者”:信仰するしもべを寵愛され、援助され、支えられる御方。
・「الحميد(アル=ハミードゥ)」“真に讃美されるべき御方”:真に賞讃に値され、その美名と属性、その御言葉と御業、その慈善と法と権威において讃えられるべき御方。
・「الصمد(アッ=サマドゥ)」“全てにおいて依拠される御方”:その王国と威厳、存在において完璧な御方。全ての必要において唯一依拠される御方。
・「القدير القادر المقتدر(アル=カディール、アル=カーディル、アル=ムクタディル)」“全能者、全てを適切に定められる御方、不可能なことがない御方”:完全な能力を有され、何1つ不可能なことはなく、いかなる些細な誤りも犯すことのありえない御方。かれは完全で無尽、かつ包括的な能力を備えられています。
・「الوكيل(アル=ワキール)」“全てを担われる御方”:被造物の諸事を一身にお引き受けになられた御方。
・「الكفيل(アル=カフィール)」“全ての保証者”:全てに対する守護者で、全ての魂を監督される御方。全ての被造物の糧を保障され、それらの福利を保護される御方。
・「الغني(アル=ガニー)」“最も満ち足りた御方”:被造物に依存されることもなければ、その存在自体必要ともされない唯一の自己完結的存在。
・「الحق(アル=ハック)」“真理”:いかなるものもその存在に疑念や嫌疑を抱くことのない御方。全ての被造物が知っている存在。「المبين(アル=ムビーン)」“最も明らかにされる御方”:被造物に対し、現世と来世における救済の道を明らかにされた御方。
・「النور(アン=ヌール)」“光”:天地をその御光で照らされ、信仰者の心にかれに関する知識と信仰でもって輝きを与えられた御方。
・「ذو الجلال والإكرام(ズル=ジャラーリ・ワル=イクラーム)」“最も荘厳かつ寛大な御方”:畏れ、讃美されるにふさわしい唯一の御方。比類のない偉大さと威厳、そして慈悲と慈善を備えられた御方。
・「البر(アル=バッル)」“最も慈善にあふれた御方”:そのしもべに慈しみ深く、哀れみ深く、慈善にあふれた御方。
・「التواب(アッ=タウワーブ)」“悔悟者をよく受け入れられる御方”:悔悟する者たちを受け入れられ、後悔してかれに立ち返る者たちの罪を赦されるお方。また悔悟というものをしもべのために用意され、かつそれを彼らから受け入れられる御方。
・「العفو(アル=アフウ)」“唯一の免罪者”:悔悟し、罪の赦しを請うしもべたちが犯した罪をお赦しになられる御方。
・「الرؤوف(アッ=ラウーフ)」“最も哀れみ深い御方”:この上ない慈しみと哀れみを備えられた御方。語源の「الرأفة(アッ=ラッファ)」は前出の「الرحمن الرحيم(アッ=ラフマーン、アッ=ラヒーム)(最も慈悲あまねく慈悲深く御方





